交際費が変わりました! 改正点と税務調査における注意点

2013-06-24

交際費が年間800万円まで経費に!!

サッカー コンフェデレーションズカップ、残念でした。
今回のザック采配には?の部分が多々あり消化不良の形となりました。
守備の立て直し、新戦力の台頭に期待し1年後のワールドカップはベスト8以上の成績をあげてくれる事を切に願っております!!

さて、スポーツバーをはじめビアガーデン等ビールのおいしい季節となりました。
(ただ私は飲めるほうではありませんが雰囲気は好きです。)
そこで今回のテーマは「交際費」です。(飲食に限った話ではないですが。。)

25年の税制改正の目玉の一つですでにご存知の方も多いかと思います。
今回は交際費の改正点と税務調査における注意点についてお話させていただきます。

1) 以前の交際費の制度と今回の改正点について

今まで>
中小法人が支出する交際費のうち600万円に達するまでの金額の90%を経費にすることが出来ました。
(中小法人とは資本金が1億円以下の会社で一般の税理士事務所が担当させていただく会社様の大部分は該当するかと思います。)

例)1年間で600万円を交際費として使ったとすると、90%の540万円までは経費となり、残りの60万円は経費にはならず税金計算の対象(課税所得)と
なっていました。

改正>
中小法人が支出する交際費のうち800万円に達するまでの金額の100%経費にできるようになりました。

例)1年間で600万円を交際費として使ったとすると、600万円全額が経費となります。

また、交際費が1,000万円であるとすると今までは540万円が経費に、460万円は税金計算の対象であったものが
今回の改正で800万円が経費に、200万円が税金計算の対象となります。

2) 適用時期(いつからですか?)

平成25年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用されます。

注意してください!25年4月からではありません!!

① 3月決算の会社につきましては25年4月からこの制度が適用されますが、例えば7月決算法人は今回の決算につきましては今まで 通りの制度のままです。

今の事業年度は24年8月1日開始であるため今回の改正は対象外です。(「平成24年4月1日以後に開始する事業年度」に該当します。)
新しい事業年度は25年8月1日開始であるため改正の対象となります。(「平成25年4月1日以後に開始する事業年度」に該当します。)

② 改正の時期は「平成26年3月31日までの間に開始する事業年度において適用」とあります。
3月決算法人の場合、25年4月から26年3月までの決算は年800万円までは経費となりますが来年の26年4月からの事業年度はこの制度がどうなるかは未定です。

今後の経済状況等に応じて延長するかどうかが決まります。

3) 改正の趣旨

飲食店を中心に消費を促し経済を活性化させる事を意図しております。

ここまでは一般的に言われていることですが、私は税務調査での交際費の見方が変わると考えております。

4) 税務調査での注意点

先に触れました通り、今までは交際費の600万円に達するまでの金額の10%と600万円を超える部分は経費としては認められませんでした。
そのため税務調査では「交際費か交際費でないか」が問題視されていました。

例えば得意先との飲食にも関わらず会議費や福利厚生等で計上している場合は税務上は交際費として修正を強いられます。
(1人あたり5,000円以下の飲食交際費の話は今回は無視します。)

今回の改正では、乱暴な言い方をさせていただくと税務上では交際費でも会議費、福利厚生でも同じ「経費」(税務上は「損金」といいます。)です。
(会計上は問題があります。)

ちなみに、個人事業者の交際費は今までもすべて経費となっていました。

個人事業者の税務調査の焦点は「事業に必要な経費か私的な費用か」です。


法人の税務調査もこの流れになるかと思います。

あってはいけない事ですが、会社の交際費の中に家族のみでの私的な食事代、ゴルフ代等が入っていたとします。
もちろん経費でありませんので認められるものではないのですが、今までは誤って交際費として計上、結果10%は経費として処理しない
という扱いをしていたとしても(絶対にいけません!!)、 今回の改正で交際費の課税がなくなりましたので間違いなく

交際費→役員給与(賞与)

の修正になります。

本来御自身で負担すべき飲食代を会社に立て替えてもらった
→もうけ(経済的利益)に対して税金がかかります
→役員給与、臨時的な給与であるので役員賞与(役員賞与は現行法では諸手続きがないと経費としては認められません。)
→給与は源泉徴収しなければならないのですがその処理が行われていない

→飲食の交際費は消費税は税金計算上控除していましたが給与は消費税の計算上 控除できません。

つまり、法人税、源泉所得税、消費税の追加納付のトリプルパンチとなります。

税務調査では今まで以上に交際費について詳細資料を求められる事が予測されます。

中小企業の経営者様、従業員様にとって得意先、業者様等との交際費は必要不可欠なものです。
今回の改正点と注意点を頭に入れつつ上手く活用していただければと思います。

 

 

 

 

大阪、京都、神戸、奈良/枚方(樟葉)、交野、寝屋川、高槻、八幡
30代税理士 竹下 和彦




 

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