「川崎重工業 代表取締役解職クーデター」から学ぶ会社法①
税理士業界は一般的に「年末から5月にかけて」が繁忙期で6月から10月頃までが比較的ゆっくりできると言われています。
「確定申告は2、3月でしょ?5月って?」
よくいただく質問です。
世間はGWで楽しんでいる頃、あなたの顧問税理士は事務所でデスクワークをしているかもしれません。
3月決算があるからです。
???
こういう事です。
個人で商売等をされている方は3/15までに確定申告をしなければいけない、という認識をお持ちかと思います。
1/1から12/31までの一年間の計算をします。
会社(法人)で商売等をされている方は決算日(一年間の締日)を自由に決める事ができます。
そこから2か月以内に国や地方に税金や財産等を計算した書類を提出します。
税理士は一般の方が作成するのが難しいであろうこれらの書類の作成の代行をしています。
※税理士以外の方が申告書の作成を代行すると違法になります。
つまり3月が締めの会社は5月までに税金関係の書類を作成しなければいけません。
3月が締めの会社って多いのです。
4月中旬から5月初旬にかけて連日新聞で「〇〇会社の今期の決算は…」という話題が取り上げられます。
その作業を誰が行っているか?
公認会計士・税理士 です。
税理士は中小企業の税務顧問をメインとしていますので上で触れた〇〇会社のように3/31で締めて2週間後に発表、という事は少ないのですが、中小企業においても3月が締めの会社が多く税理士の仕事が忙しくなるのです。
「3月に締めて5月に提出するのはわかった、ただ6月に入ると新聞で株主総会の話題をよく見かけるけど?」
株主総会とは、
「株主を構成員として株式会社の基本的な方針や重要な事項を決定する機関」です。
3月の締め日から始まって2か月で税金や利益、財産等の書類を作るのですが、最終的に配当を出すのか等を含めこれらの数値で良いか株主にお伺いを立てる必要があり株主総会はその会となります。
株主に会を開く通知を出したり書類を作ったりと2か月以内では難しく、法的に3か月以内の開催が認められています。
これが6月の最終週に株主総会が多く開催される理由です。
税務「申告」も通常は締日から2か月以内に行わなければなりませんが上記のケースの場合、届出を出して認められた際は1か月申告の期限を延ばしてもらえます。
※「納付」の期限は2か月のまま延長できませんのでご注意ください。
その株主総会の前に突如起こった今回のテーマである「川崎重工業 代表取締役解職クーデター」、 この例を使って会社法について説明させていただきたいと思います。
(②へ続きます。)