9月, 2015年
減価償却できる絵画等の美術品が増えました!!
会社、クリニック等で見かける絵画や置物等の美術品について減価償却資産とするか否かの判定の通達に改正が入りました。
国税庁HP(美術品等についての減価償却資産の判定)
以前は、
「歴史的価値又は希少価値を有し代替性のないもの」や「美術関係の年鑑等に記載されている作者の制作に係る書画、彫刻、工芸品等」は書画骨とうのように時の経過によりその価値が減少しない資産(=非減価償却資産)とされ減価償却できませんでした。
また、書画骨とうに該当するか明らかでない美術品等でその取得価額が1点20万円(絵画は号2万円)未満であるものについては減価償却資産として取り扱う事ができる。
という通達のもと、税務判断をしておりました。
今回の改正では、
① 古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し代替性のないもの
は時の経過によりその価値の減少しない資産として減価償却資産に該当せず
② ①以外で取得価額が1点100万円以上のものうち
a 時の経過によりその価値が減少しないもの→非減価償却資産
b時の経過によりその価値が減少する事が明らかなもの→減価償却資産
③ ②以外(1点100万円未満)のもののうち
a 時の経過によりその価値が減少する事が明らかなもの→減価償却資産
b時の経過によりその価値が減少しない事が明らかなもの→非減価償却資産
と減価償却資産となる美術品等の範囲が拡大しました。
この改正は平成27年1月1日以後に取得する美術品等について適用されます。
既に保有している美術品等(平成27年1月1日以前に取得)も適用初年度(平成27年1月1日以後最初に開始する事業年度)から減価償却資産に該当する場合は、経過措置により減価償却の対象となります。
なお、中小企業者等の少額減価償却資産に該当する場合は適用初年度開始の日において取得かつ事業供用したものする事ができます。(30万円未満の取得価額相当額を経費計上できます。)
今後取得する美術品の金額基準の確認と既存の美術品の減価償却の検討をしていただければと思います。
不明点等ありましたらご質問くださいませ。
大阪府(枚方市、寝屋川市、大阪市内他)、京都府(八幡市、京都市内他)
兵庫県(神戸市内他)、奈良県(生駒市、奈良市内他)
30代税理士 竹下 和彦