4月, 2014年
海外勤務者の税金は?
4月に入り入学、新入社、転勤…と新天地で活躍される方も多いかと思います。
その中には海外支店への赴任を命じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「海外に赴任したけど日本の税金どうなるの?」
今回は海外勤務者の税金についてお話させていただきます。
1.居住者と非居住者の区分(納税義務者)
まず、海外赴任が1年以上か否かで分類されます。
1年未満であると「居住者」、1年以上であると出国の翌日から「非居住者」となります。
※ 居住者:国内に住所を有し又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人
さらに「非永住者」「非永住者以外の居住者」と分類しますが割愛致します。
※ 非居住者:居住者以外の個人
当初1年以上の海外勤務予定だったがやむを得ず1年以内で帰国した場合も海外勤務中は「非居住者」として扱われます。
一方、1年未満の海外勤務を予定をしていたため「居住者」として税計算をしていたが途中で1年以上の滞在が必要となった場合には延長が決まった日から「非居住者」となります。
2.課税所得の範囲
次に日本の所得税の範囲ですが、
海外勤務者のうち居住者に該当する人(非永住者については割愛)については国内、国外問わず全世界の所得について課税されます。
一方、非居住者に対する課税所得は国内源泉所得に限定されます。
→国内において行う給与等に対応する20.42%(復興特別所得税加味後)の税率で源泉徴収されます。
例)海外支店へ5年間勤務の辞令がでて11/25出国しました。
給与は前月21日~当月20日締め、末日支給
① 10月まで
居住者として給与所得の源泉徴収税額表に従い源泉徴収
② 11月
11/30時点において「非居住者」に該当しているため「国内源泉所得」に対して課税。
今回の給与は10/21~11/20までの「国内勤務」に対して支給されているため課税の対象。
復興特別所得税加味後の20.42%の税率で源泉徴収。
③ 12月~
非居住者に該当し、12月支払給与は「国外源泉所得」であるため所得税は課税されません。
現地の税法に基づき課税されます。
<注> 役員給与の取扱い
① 原則
非居住者となる海外勤務者である役員については国外において行った業務も国内において行った勤務に含まれるとされ、支給給与に対し、復興特別所得税加味後の20.42%の税率で源泉徴収します。
② 例外
いわゆる使用人兼務役員(日本法人の役員であると同時に日本法人の使用人として勤務)に対する給与については国内において行う勤務に対するもののみ国内源泉所得に該当します。
3.住民税
前年度の所得に対して課税される税金で1/1現在の住所所在地の都道府県、市町村が課税します。
年末年始に海外勤務者として出国する際、
1/1現在国内に住所を有していれば住民税の納税義務はありますが、
年末に出国し1/1現在国内に住所を有していなければ日本の住民税は課税されません。
よって可能であれば年内の出国をお勧め致します。
大阪、京都、神戸、奈良/枚方(樟葉)、交野、寝屋川、高槻、八幡
30代税理士 竹下 和彦