Archive for the ‘個人・法人 事業’ Category
マイナンバー制度が始まります!注意しておきたいポイントとは
最近、何かと話題のマイナンバー制度ですが実際の対応はこれから…、何をすれば良いのか…、マイナンバー制度って何?という方も多いかと思います。
今回は、簡単ではありますがマイナンバー制度の基本的な項目、導入部分について説明させていただきます。
詳細は、下記HP・資料等を参照ください。
内閣官房 マイナンバー制度(HP)
内閣官房 マイナンバー 民間事業者の対応(PDF)
1.マイナンバー制度とは
マイナンバー制度は、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平・公正な社会を実現する社会基盤です。(平成28年から導入されます。)
国民一人ひとりに個別の番号(12桁)が与えられ、それに基づき社会保障、税、災害対策の分野で一元管理されます。(利用範囲が制限されております。)
この番号は不正利用されるおそれがある場合を除いて一生変更されません。
一方、法人には13桁の法人番号が与えられインターネット上で公表されます。
個人番号と異なり利用範囲に制限がなく自由に利用することが可能となっております。
・行政の効率化
国、地方公共団体等での手続きにかかる時間、労力が大幅に削減されます。(情報の照合、転記、入力等)
・国民の利便性の向上
社会保障・税関係の申請時に添付書類が削減される等行政手続きが簡素化されたり(住民票、課税証明書等の省略等)、様々なサービスのお知らせを受ける事ができます。
・公正、公平な社会の実現
税、社会保障の負担を負担に免れる事や不正受給の防止、本当に困っている人へのきめ細やかな支援が可能になります。
2.マイナンバー制度の導入に向けて
① 「マイナンバー」(12桁の個人番号)の通知
平成27年10月以降、住民票の住所宛に「通知カード」が簡易書留で世帯分まとめて郵送されます。
注>住民票の住所と異なるところにお住まいの方はご注意ください。
注>国外に滞在し、住民票のない方にはマイナンバーは付番されません。
帰国して住民票が作成される際にマイナンバーの指定、通知が行われます。
※ 先に申しました通り、法人には13桁の法人番号が付されます。
② 様々な用途で利用可能な「個人番号カード」
①で触れましたマイナンバーの通知とともに「個人番号カード交付申請書」が郵送されます。(平成27年10~12月)
申請により「個人番号カード」の交付を無料で受ける事ができます。
※ 20歳以上は10年更新、20歳未満は5年更新
個人番号カードの取得は任意ですがメリットが大きい、あると便利ですので私は申請する予定です。
<個人番号カードのメリット>
・ 身分証明書として利用可能(顔写真入り)(表面)
※ 裏面に個人番号が付されており法律で定められた事務以外での収集等(コピー等)は禁止されております。
・ e-Taxなどの各種電子申請が可能
・ 図書館利用証や印鑑登録証など自治体が条例で定めるサービスにも使用可能
・ マイナポータルというサービスの利用が可能
※ 行政機関と個人情報をやりとりした際の記録をサイトで確認できます。(平成29年1月~)
③ マイナンバーの利用開始
平成28年1月~マイナンバーを利用します。
※ 年金、医療保険、雇用保険、福祉の給付や税の手続き等で申請書等にマイナンバーの記載が求められます。
<マイナンバーの利用機会>
・ 児童手当の現況届の際に市区町村へマイナンバーを提示
・ 厚生年金の裁定請求の際に年金事務所へマイナンバーを提示
・ 配当、保険金を受取る際、証券会社や保険会社にマイナンバーを提示し金融機関が法定調書に記載
・ 勤務先はマイナンバーの提示を受け、源泉徴収票に記載
等
今回、簡単ではありますが、マイナンバー制度の趣旨及び導入部分について説明させていただきました。
今後、より多くの報道や書籍の発行、セミナーの開催等があるかと思います。
今回は個人の利用者に絞って説明させていただきましたが、企業側も多くの取り組まなければならない事があります。
不明点等がありましたらお気軽にお申し付けくださいませ。
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30代税理士 竹下 和彦
設備投資を行った時の優遇税制~生産性向上設備投資促進税制~
青色申告をしている法人及び個人が最新設備や利益改善のための設備で一定要件を満たすものの投資を行うと優遇措置を受ける事ができます。
生産性向上設備投資促進税制(国税庁HPより)
(優遇税制)
・平成26年1月20日~平成28年3月31日まで:即時償却(取得価額の全額が経費)か税額控除((税金そのものが減額)5%、ただし建物・構築物は3%)の選択
・平成28年4月1日~平成29年3月31日まで:特別償却(通常の減価償却に加えその償却額の50%を経費計上、ただし建物・構築物は25%)か税額控除(4%、ただし建物・構築物は2%)の選択
※税額控除額の上限は当期法人税額等の20%
(対象設備)
機械装置、工具、器具備品、建物、建物附属設備、ソフトウェアのうち下記要件を満たすもの
「A類型」先端設備
① 最新モデル
② 生産性向上(年平均1%以上)
※ 工業会等が証明書を発行
「B類型」生産ラインやオペレーションの改善に資する設備
① 投資計画における投資利益率が年平均15%以上(中小企業者等は5%以上)
※ 税理士、公認会計士による、対象設備・投資利益率要件を満たしているかの確認が必要となります。
→その後、投資計画及び税理士等の事前確認書を経済産業省に提出し経済産業大臣の確認を受ける必要があります。
(確認は設備取得前に行う必要があります。また1か月以上時間を要する事があります。)
(その他要件)
① 生産等設備を構成するものであること
② 最低取得価額要件を満たしていること
③ 中古資産でない事 等
※ 対象設備、最低取得価額、その他要件等は下記を参照下さい。
生産性向上設備投資促進税制(経済産業省HPより)
また、従前よりある中小企業者等が機械等を取得した場合の優遇税制(中小企業者等投資促進税制)ですが、特定機械等が生産性向上設備に該当する際は上乗せ措置を受ける事ができます。
(中小企業投資促進税制:中促 の基本措置)
青色申告を行い指定事業を営む資本金1億円以下の法人等及び個人事業者(中小企業者等)が対象設備を取得した場合
特別償却(30%)か税額控除(7%。資本金3,000万以下の法人・個人事業者に限る。)の選択適用を受ける事ができます。
※税額控除額の上限は当期法人税額等の20%
(中小企業投資促進税制:中促 の上乗せ措置)
中促の対象設備のうち生産性向上設備(A類型・B類型)に該当するものを取得した場合
① 資本金3,000万以下の法人等・個人事業者→「即時償却」か「10%の税額控除」の選択適用
② 資本金3,000万超1億円以下の法人→「即時償却」か「7%の税額控除」の選択適用
※税額控除額の上限は当期法人税額等の20%
詳細は下記を参照ください。
中小企業投資促進税制と生産性向上設備に該当する事による上乗せ措置(国税庁HPより)
「生産性向上設備投資促進税制」「中小企業投資促進税制」「中小企業投資促進税制の上乗せ措置」のどの税制に該当するのか
「即時償却」「特別償却」「税額控除」のどれが有利なのか(事業者様の状況によりけりです。)
設備投資をお考えの方は一度ご相談いただければと思います。
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30代税理士 竹下 和彦
26年 所得税確定申告(年末調整):2年前納した国民保険料の社会保険料控除について
平成26年4月から2年分の国民保険料を前納する事ができるようになりました。
社会保険料控除の金額はどうなるかといいますと、
① 納めた年に全額控除
② 各年分の保険料に相当する額を各年において控除
を選択する事ができます。
①②問わず社会保険料控除を受けるためには社会保険料控除証明書が必要となります。
(日本年金機構発行)
②を選択するには社会保険料控除証明書と併せて「社会保険料(国民年金保険料)控除額内訳明細書」を作成し添付する必要があります。
作成の仕方は下記ページを参照ください。
日本年金機構HP:平成26年に国民年金保険料を2年前納した場合の社会保険料控除について
各年の控除額は前納保険料を月数按分したものとなります。
例)2年前納保険料が355,280円の場合26年の対象金額は4~12月の9か月で355,280円×9/24=133,230円 となります。
所得税はもうけに応じて税率が高くなる超過累進税率を適用しているため、一概に①、②のどちらが有利かを申し上げる事ができません。
(個々人の状況に応じます。)
例)26年に一時的に所得が高くなった方であれば①にする方がトータルで節税となります。
これに関わらずこれからの確定申告シーズン、どんな些細な事でも結構ですのでご質問くださいませ。
法人のお客様ももちろん歓迎致します。
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30代税理士 竹下 和彦
マイカー・自転車通勤者の通勤手当非課税枠が拡大しました。
私事ですが、10月23日にかねてよりお付き合いさせていただいていた方と入籍致しました。
たくさんの方々からお祝いのメッセージ等を頂戴致しました。
本当にありがとうございます。
より一層精進して参りますので今後ともよろしくお願い致します。
今回は、通勤手当の非課税枠拡大の話です。
通勤手当の非課税限度額の引上げについて(国税庁)
同上PDF(国税庁)
電車等の公共の交通機関を利用されている方は現状通りで、
マイカーや自転車通勤等されている方に支給される通勤手当の非課税枠が拡大となります。
距離に応じて定められた限度額を超えて支給された通勤手当について
限度額を超えた部分は給与所得として源泉徴収の対象となりますのでご注意ください。
この改正は、
平成26年10月20日に施行され、平成26年4月1日以後に支払われるべき通勤手当(同日前に支払われるべき通勤手当の差額として追加支給するものを除きます。)について適用されます。
既に支給された通勤手当につきましては、
改正前の非課税規定をもって源泉徴収を行いますが(所得税・復興特別所得税)、改正後の非課税規定を基に計算すると過納となる場合は、今年(26年)の年末調整で精算する事になります。
マイカー通勤等の多い事業所様・給与所得者様はご注意ください。
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30代税理士 竹下 和彦
消費税 任意の中間申告制度が創設されました。
消費税の中間申告・納付は直前の課税期間(通常は前期)の確定消費税額(地方税消費税額は含みません。)によって申告・納付の回数が決まっておりました。
直前の課税期間の確定消費税額が48万円以下の場合、中間申告・納付義務がありませんでした。
確定申告時にまとめて納付するのは資金繰りが苦しい等の事業所のために届出書提出を要件に自主的に中間申告・納付する事ができる制度(任意の中間申告制度)が創設されました。
消費税 任意の中間申告制度(国税庁HPより)
消費税法税制改正お知らせ PDF(国税庁 平成25年3月)
中間納付税額は、直前の課税期間の確定消費税額の1/2の額となり、中間納付額と地方消費税の中間納付額を併せて納付する事になります。
(6月中間申告対象期間の末日の翌日から2月以内に中間申告書を提出)
任意の中間申告制度を適用する場合でも、仮決算を行って当期の中間の消費税額・地方消費税額を計算し申告・納付する事も可能です。
中間申告書を提出期限までに提出しなかった場合には、6月中間申告対象期間の末日に、「任意の中間申告制度の適用をやめようとする旨を記載した届出書」の提出があったものとみなされますのでご注意下さい。
※ 中間申告義務のある事業者が中間申告書を提出しなかった場合と取扱いが異なります。
個人事業者の場合は平成27年分から、事業年度が1年の法人については平成26年4月1日以後開始する課税期間(平成27年3月決算)から適用されます。
(3月決算の場合、6月中間申告対象期間は4~9月)
資金繰り等を勘案してこの制度を適用するのも良いかもしれませんので、対象となりうる個人事業者様・法人様はご相談ください。
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30代税理士 竹下 和彦
消費税 簡易課税制度のみなし仕入率が変わります。
ご存知の通り平成26年4月1日より消費税率が変更となりました。
消費税は売った消費税(課税売上にかかる消費税)から支払った消費税(課税仕入れにかかる消費税)の差額を計算し申告、納付となりますが
計算期間(課税期間)の前々年(または前々事業年度)の消費税がかかる売上高(課税売上高)が5,000万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の 届出書を事前に提出している場合、課税売上高から一定の計算のもと控除できる消費税税額(仕入控除税額)を計算する事ができます。
簡易課税制度(国税庁HPより)
実際に計算する場合(本則課税)とこの簡易課税とどちらが税額が安くなるかの判定を行い所定の手続きを行うわけですが
平成27年4月1日以後に開始する課税期間から仕入控除税額を計算する基となる業種ごとのみなし仕入率が変更となります。
みなし仕入率
卸売業 第1種 90%
小売業 第2種 80%
製造業等 第3種 70%
その他事業 第4種 飲食店業、その他事業 60%
はそのままで
その他事業 第4種のうち金融業、保険業は第5種に分類され50%
サービス業等 第5種のうち運輸通信業、サービス業(飲食業除く)は第5種のまま50%
サービス業等 のうち不動産業は第6種が新設され40%
と変更になりました。
簡易課税制度のみなし仕入率のみなし仕入率の見直し等(国税庁HPより)
不動産業は消費税がかかる経費(課税仕入)が少ない、という事で保険業等と合わせて実態に即した改正といえるでしょう。
みなし仕入率が減少すると仕入控除税額が下り消費税が増額するため変更の対象となる 納税者は注意が必要です。
先に申し上げました通り平成27年4月1日以後に開始する課税期間から適用されますが経過措置が設けられております。
先ほど添付しました
簡易課税制度のみなし仕入率のみなし仕入率の見直し等(国税庁HPより)
の経過措置の項目をご覧ください。
平成26年9月30日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、 平成27年4月1日以後に開始する課税期間であっても当該届出書に記載した「適用開始課税期間」の 初日から2年を経過する日までの間に開始する課税期間(官位課税制度の適用を受ける事をやめる事ができない期間)については改正前のみなし仕入率が適用されます、
とあります。
わかりにくいので解説を
補足させていただきますと
簡易課税制度は計算期間(課税期間)がはじまるまでに届出書を提出しないと適用できません。(確定申告期限ではありません。)
基準期間の課税売上高(あえてさらっと書きました)が5,000万円超等の課税期間については 簡易課税制度が適用出来ないのですが、売上はほぼ同程度に推移し大きな設備投資をしたので 本則課税で計算し消費税の還付を受ける!! としようとしても簡易課税は2年間の縛りがあり変更する事ができません。
不動産業(第6種事業)の例((1)法人)を見ていただきたいのですが
①は簡易課税選択届出書の提出が平成25年3月1日以前ですので改正適用日 平成27年4月1日開始の課税期間につきましては簡易課税の2年間の縛りはなくなっています。
よって、この場合は平成27年4月1日開始の課税期間につきましては 税制改正通り第6種で計算となります。(経過措置対象外)
② は簡易課税の届出書を平成26年3月27日に提出、適用開始は平成26年4月1日開始の課税期間~となります。
2年間の縛りの期間は、平成26年4月1日開始課税期間・平成27年4月1日開始課税期間と改正適用日を挟みますが、経過措置として平成26年9月30日までに届出書を提出しているため今回改正適用日以降である平成27年4月1日開始課税期間も旧法の第5種で計算します。
2年縛りの終わる平成28年4月1日開始以後の課税期間は新法の第6種での計算となります。
③④は一見似ているのですが届出書の提出日によって税率が大きく異なるため注意が必要です。
平成26年9月30日までに「消費税簡易課税選択届出書」を新たに提出した事業者は、経過措置が適用され2年間の縛りの期間(平成27年4月1日開始課税期間、平成28年4月1日開始課税期間)につきましては旧法(第5種)での計算となります。
一方、平成26年10月1日以降に届出書を提出した場合には経過措置は適用されず改正適用日以降の課税期間(平成27年4月1日以降開始課税期間)は新法(第6種)での計算となるためご注意ください。
本則・簡易課税の有利不利判定等、消費税に関するご質問等がございましたら お早めにお申しつけください。
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30代税理士 竹下 和彦
会社設立・法人成り、株式会社か合同会社か?
会社設立のメリット、デメリットにつきましては以前よりUPしております。
起業支援・会社設立支援プラン/会社設立のメリット・デメリット
http://www.takeshita-tax.com/?page_id=13
今回は会社設立の際、株式会社・合同会社どちらが望ましいかについて説明させていただきます。
(無限責任社員が含まれれる合名会社・合資会社につきましては割愛させていただきます。)
Ⅰ 共通点
① 出資者
株式会社の出資者を株主、合同会社の出資者を社員といいます。
これらの会社が万一倒産してしまった場合、出資した金額の範囲で責任を負う事になります。
これを「有限責任」といいます。
一方、出資した金額以上に責任を負わなければならない(個人財産を売却してでも)事を「無限責任」といいます。
株式会社、合同会社の出資者はともに有限責任となります。
また、株式会社、合同会社ともに資本金1円より設立が可能です。
② 税制
株式会社、合同会社も税務的には同じです。
(会計・決算書上表記が異なる事はありますが。株式会社:株主資本 合同会社:社員資本 等)
個人に比べ経費として認められる範囲が増え節税する事が可能です。
Ⅱ 相違点
① 知名度、信用度
「株式会社は聞いた事あるけど、合同会社は…。」
という方も多いかと思います。
合同会社は、会社法施行に伴い新しく出来た会社形態です。(平成18年)
よって認知度が低いのは当然で、そういう点では株式会社の方が取引先・金融機関等に対しての信用力が高く、従業員募集に対しても有利に働くかもしれません。
(ただし、それは一般論に過ぎません。実態がどうかが大切です。)
② 設立登記費用
株式会社は定款認証代が5万円、登録免許税が15万円かかります。
一方、合同会社は定款認証代が0円登録免許税が6万円と低コストで会社設立が可能です。
合同会社設立の決め手は会社設立費用が安い!!
そう言っても過言ではありません。
③ 所有と経営
株式会社は所有(出資者:株主)と経営(経営者)が分離しております。
一方、合同会社は所有(出資者:社員)と経営(経営者)が一致します。
また、株式会社には必須である株主総会も合同会社は不要です。
よって合同会社の場合、社員は業務執行権を有し迅速かつ柔軟な会社経営が可能となります。
(ただし、中小企業の場合、所有者=経営者(一族含む)の株式会社の形が圧倒的に多いです。)
④ 出資比率
株式会社の場合、経営の参画権や配当金等の受取りは出資比率に応じて決まります。
一方、合同会社の場合はこれらを定款で事由に定める事ができます。
⑤ 取締役の任期
会社法施行により、株式会社における取締役の任期が原則2年ですが一定要件を満たす事で最長10年まで伸長する事が可能になりました。
一方、合同会社には取締役の任期の定めがありません。
これにより役員改選登記によるランニングコストがかからない事にもなります。
⑥ その他
例)
決算公告の義務(株式会社はありますが、合同会社はありません。)
肩書きが違う。(株式会社は代表取締役、合同会社は代表社員 等)
Ⅲ. まとめ
先にも触れましたが対外的な信用(得意先拡大、資金調達)といった点から、
一般的には(特にB to B(企業相手)の業種であればなおさら)株式会社設立をお勧め致します。
できるだけ初期コストを抑えたい、同族経営でこじんまり仕事をしたい、
B to C (消費者相手)の業種で株式会社かどうかは影響ない、
という事であれば合同会社も選択の一つかと思います。
また、合同会社から株式会社への組織変更は可能です。
個人、法人の有利不利と合わせてお気軽にご相談いただければと思います。
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30代税理士 竹下 和彦
海外勤務者の税金は?
4月に入り入学、新入社、転勤…と新天地で活躍される方も多いかと思います。
その中には海外支店への赴任を命じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「海外に赴任したけど日本の税金どうなるの?」
今回は海外勤務者の税金についてお話させていただきます。
1.居住者と非居住者の区分(納税義務者)
まず、海外赴任が1年以上か否かで分類されます。
1年未満であると「居住者」、1年以上であると出国の翌日から「非居住者」となります。
※ 居住者:国内に住所を有し又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人
さらに「非永住者」「非永住者以外の居住者」と分類しますが割愛致します。
※ 非居住者:居住者以外の個人
当初1年以上の海外勤務予定だったがやむを得ず1年以内で帰国した場合も海外勤務中は「非居住者」として扱われます。
一方、1年未満の海外勤務を予定をしていたため「居住者」として税計算をしていたが途中で1年以上の滞在が必要となった場合には延長が決まった日から「非居住者」となります。
2.課税所得の範囲
次に日本の所得税の範囲ですが、
海外勤務者のうち居住者に該当する人(非永住者については割愛)については国内、国外問わず全世界の所得について課税されます。
一方、非居住者に対する課税所得は国内源泉所得に限定されます。
→国内において行う給与等に対応する20.42%(復興特別所得税加味後)の税率で源泉徴収されます。
例)海外支店へ5年間勤務の辞令がでて11/25出国しました。
給与は前月21日~当月20日締め、末日支給
① 10月まで
居住者として給与所得の源泉徴収税額表に従い源泉徴収
② 11月
11/30時点において「非居住者」に該当しているため「国内源泉所得」に対して課税。
今回の給与は10/21~11/20までの「国内勤務」に対して支給されているため課税の対象。
復興特別所得税加味後の20.42%の税率で源泉徴収。
③ 12月~
非居住者に該当し、12月支払給与は「国外源泉所得」であるため所得税は課税されません。
現地の税法に基づき課税されます。
<注> 役員給与の取扱い
① 原則
非居住者となる海外勤務者である役員については国外において行った業務も国内において行った勤務に含まれるとされ、支給給与に対し、復興特別所得税加味後の20.42%の税率で源泉徴収します。
② 例外
いわゆる使用人兼務役員(日本法人の役員であると同時に日本法人の使用人として勤務)に対する給与については国内において行う勤務に対するもののみ国内源泉所得に該当します。
3.住民税
前年度の所得に対して課税される税金で1/1現在の住所所在地の都道府県、市町村が課税します。
年末年始に海外勤務者として出国する際、
1/1現在国内に住所を有していれば住民税の納税義務はありますが、
年末に出国し1/1現在国内に住所を有していなければ日本の住民税は課税されません。
よって可能であれば年内の出国をお勧め致します。
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30代税理士 竹下 和彦
領収書等に係る印紙税の非課税範囲が拡大します。5万円未満の判定は税抜き?税込み?
「金銭又は有価証券の受取書」(平たく言えば領収書、レシート、受取書等です。)については平成26年4月1日以降に作成するものについて受取金額が5万円未満のものについて非課税(すなわち印紙を貼らなくてよい。)となりました。
(以前は3万円未満)
国税庁PDF
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/inshi/pdf/inshi-2504.pdf
飲食、小売業等この改正の恩恵を受ける企業様、個人事業主の方も多いのではないでしょうか。
同時によく質問をいただくのが
「5万円って税抜き?税込み?」
です。
答えは
「消費税額等が区分記載されている場合、課されるべき消費税額等が明らかな場合は税抜きでオッケーです。」
わかりにくいので具体例を
本体価格が49,000円 消費税が3,920円 税込価格が52,920円とします。
領収金額52,920円(内消費税等3,920円)、領収金額52,920円(但し、税抜金額49,000円)
は非課税(印紙不要)です。
前者が消費税額等が区分記載されているパターン(3,920円)、後者が課される消費税額等が明らかなパターン(49,000円の8%=3,920円)になります。
「ややこしい事言ってるけど税抜きで判定していいですか?」
機械式のレジから発行されるレシートの多くはこの形をとっているため税抜き判定になるかと思いますが、手書きの領収書を想像してください。
パソコン代 50,000円
一目で消費税わかりますか?
これは消費税額が区分記載されておらず、また課される消費税額が明らかではないため税込み判定となります。
今回税込みで5万円なので非課税の5万円「未満」には該当せず、受取金額100万円以下として200円の印紙が必要となります。
レジのレシートなら税抜き・手書きなら税込みというわけではなく、後者でも消費税額を区分記載する等すれば非課税となります。
ただし、課されるべき消費税額等が明らかとなる場合に消費税額等を印紙税の記載金額に含めないこととされている課税文書はこの
「金銭又は有価証券の受取書(第17号文書)」と
「不動産の譲渡等に関する契約書(第1号文書)」「請負に関する契約書(第2号文書)」
に限定されているためご注意下さい。
国税庁タックスアンサー
https://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/7124.htm
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30代税理士 竹下 和彦
平成26年から上場株式等の配当・譲渡に係る税率が変わります。(軽減税率廃止)
あけましておめでとうございます。
本年も皆様に少しでもわかりやすく情報等を発信していければと思います。
よろしくお願い致します。
今回は平成26年から適用・変更される税法として前回の小規模宅地等の特例に続き、「上場株式等の配当、譲渡の税金」について説明させていただきます。
<配当>
上場株式等の配当金を受け取った場合の税率が平成25年まで国税7.147%(7%+復興特別所得税0.147%、)+地方税(配当割)3%、計10.147%だったものが
平成26年から平成49年まで国税15.315%(15%+復興特別所得税0.315%)+地方税(配当割)5%、計20.315%に変更となります。
※ 平成49年まで復興特別所得税が課税されます。
※ 法人株主の場合は地方税(配当割)は課税されませんのでご注意下さい。(国税15.315%のみ)
※ 発行済株式の総数等の3%以上に相当する数又は金額の株式等を有する個人(「大口株主等」)が支払を受ける上場株式等の配当等については軽減税率適用対象外で上場株式等以外の配当金と同じ税率で源泉徴収されます。
→ 国税20.42%(20%+復興特別所得税0.42%)、地方税は課税されません。
<譲渡>
個人の場合、申告分離課税といい他の所得(事業や給与等のもうけ)と別で計算するのですが、金融商品取引業者等を通じた上場株式等の譲渡を行った際、収入-経費(=譲渡所得)にかかる税率が平成25年まで国税7.147%(7%+復興特別所得税0.147%)+地方税(配当割)3%、計10.147%だったものが
平成26年から平成49年まで国税15.315%(15%+復興特別所得税0.315%)+地方税(配当割)5%、計20.315%に変更となります。
※ 平成49年まで復興特別所得税が課税されます。
※ 法人の場合は個人の場合の申告分離課税と異なり他の損益と合算したものに一定の税率をかけます。
これだけを見ると増税(税率の優遇が無くなった)ですが代わりに巷で話題のNISA(少額投資非課税制度)が26年から始まりました。
NISAは年間100万円までの投資にかかる値上がり益や配当金が非課税の対象となります。
先ほどの配当金の例でいえば20.315%の税金がかかりません。
が、メリットだけではありません。
NISA口座で発生した譲渡損は他の口座の上場株式等の譲渡益や配当等と損益通算できない等のデメリットも生じます。
例)A 20万利益、B 10万損失
BをNISA口座で運用すると10万の損失はなかったものとしNISA口座以外のAとは損益通算できずAの20万に対して税金が発生します。
NISA口座で運用しないとA,B損益通算が可能で A20万-B10万=10万に対して税金が発生、となりNISAを活用しない方が有利になります。
まとめ
法人:NISA加入不可であるため変更点は配当国税の税率変更のみです。会計、税務処理の際注意して下さい。(手取り額から逆算等)
個人:上場株式等にかかる配当、譲渡の源泉税の増税となります。御自身の運用状況等を踏まえ証券会社等専門家に御相談いただければと思います。
大阪、京都、神戸、奈良/枚方(樟葉)、交野、寝屋川、高槻、八幡
30代税理士 竹下 和彦